【ボーダー その線を越える時】第1部(8)
「また死なない詐欺か」「見ず知らずの人の自殺を本気で止めようとする人なんて滅多(めった)にいませんよ。匿名掲示板なら特に」「こういう構ってちゃんが一番うざい。さっさと死ねよ」。昨年11月4日、ネット掲示板「2ちゃんねる」に《来週自殺します》と題したスレッド(話題)が立てられると
、こんな書き込みが相次いだ。
仙台市の金融機関に勤務する男性(24)が立てたスレッドで、「8割方死ぬ気。2割思いとどまっている。2割をこのスレッドでプレッシャーをかけることではねのける」と理由を書き込んでいた。
男性は同月7日に動画サイト「ユーストリーム」に登場し、生中継で心境を吐露した。「生きるんだ!」「誰かは
rmt アトランティカ やくとめて!」。思いとどまらせようとする書き込みも続いたが、9日午前5時半ごろ、自宅アパートのベランダで、男性が首をつるシーンが流れた。宮城県警は男性が書き込んでいた金融機関に問い合わせて身元を確認。午前8時半ごろ、警察官が死亡した男性を発見した。
サイトの運営会社によると、中継の視聴者は4700人に上ったが、県警による
と、自殺前後に110番を通じた通報は確認されていない。「中継段階で把握しても素性や真偽の確認が先になり、すぐには動けないだろう」。県警幹部は対応の限界をこう指摘した。
◆事故物件
「平成20年4月4日、港区六本木6丁目○?○ ○レジデンス14階、首つり自殺」「22年5月2日、港区西新橋1丁目…、転落死」
「
大島てる CAVEAT EMPTOR(ケイビアット?エンプター)」と題したサイトでは、自殺や死亡事故、殺人があったマンションなど首都圏の“事故物件”を公表している。その数は約1200件。
ラテン語の格言で「買い主をして注意せしめよ」の意味を持つサイトを運営する大島学(32)は公開理由を説明する。「事故物件と知らずに住んでいる
人が多い。高額な分譲で買ってから知ったらどうなりますか。情報は全部出さなければいけないはずだ」
「○○ホテルで自殺がありました。事故防止のためにあえて公表すべきだと連絡しました」。当初、大島は裁判を傍聴したりして情報収集していたが、サイトが注目されだすと、こんな情報がツイッターなどを通じて頻繁に寄せられるようになった。一
方、自殺のあった物件の持ち主から「事実は確認できない」との削除要請のほか、「価値が下がるから載せないで」「子供が学校でいじめられる」との苦情も相次ぐ。それでもやめるつもりはない。
「すべての情報にすべての人がアクセスできるようにすべきなんです。それが透明性の高い社会を作ることにつながる」と大島は強調する。告発サイト「ウィ
キリークス」創始者の「政府を正直にすることに貢献している。個人は誰一人傷つけていない」との主張や、沖縄?尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像を流出させた元海上保安官の「国民の誰もが見る権利がある」との弁明と重なる。大島はいう。「自己責任を貫くには情報が開示されていなければいけない。あくまで自己責任だ」
◆裏サイト
「スーパ
ーでCD万引しているとこ目撃」「あいつの家は貧乏だから食料ぱくってる」。東京都内の専門学校に通う滝口達也(19)=仮名=は高校のとき、生徒らが独自に立ち上げた「学校裏サイト」にこんな書き込みがあると友人から告げられた。
事実無根で、サイト管理者に削除を求めたが、書き込みは次々現れた。あるとき、携帯に1日何百件もの迷惑メー
ルが殺到し、事態の深刻さを知った。「了解です。あなたを買います」というメールも届いた。送信者に問い合わせると、同性愛者のサイトに「僕を自由にしてください」との書き込みと携帯メールアドレスが記されていたという。
携帯の自己紹介ページ「プロフ」が原因で、勝手に電話番号やアドレスが書き込まれていた。なぜ個人情報が流出したかは分
からない。数人しか知らない情報もあり、親しい仲間にも疑いの目を向けた。「腹の底では何を考えているんだろう」と人の目を見て話せなくなった。ネットとも距離を置くようになったが、携帯は手放せない。気付くと携帯をいじっている。
いまはこう思う。「ネットの世界って人間の底の部分、汚い部分がこれでもかって出ている。だから引き込まれて
しまう。沼みたいに…」=敬称略
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引用元:
デカロン rmt